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 かつて私たちの街は戦火に焼かれ、原爆が落とされ、多くの家族を失いました。戦地に行った父や兄は帰ってきませんでした。戦争が終わったとき、だれもが「もう二度と戦争は嫌だ」という強い思いをもって、平和国家として歩むことを決意して70年が過ぎました。その間、隣国の朝鮮半島をはじめ、ベトナムや中東、アフリカでは絶え間なく紛争や戦争があり、人々は住む場所を追われて難民となり、ミサイルなど高性能の兵器によって兵士だけでなく、子どもや女性を含む多くの人が犠牲になりました。


 一方、私たちは武器ではなく、自動車を作り、ダムを造り、新幹線を走らせ、産業を発展させて、世界の国々との貿易によって豊かな国になりました。日本で戦争を記憶している人(75歳以上)はわずか12.5%になりました。今私たちが映画やテレビで見る戦争は、勇ましく戦う戦闘機や、軍人を美化したドラマ、そして遠い国で起こっている紛争のニュースです。自ら銃を持って戦った人はごくわずかになりました。私たちの多くは本当の戦争を知りません。血の臭いも、ウジがわいた死体も、飢えも、弾の音も。しかし、明日からは私たちの子や孫が、あるいは自身が体験することになるかもしれません。
戦争体験のない政治家たちによって、国民の8割が反対しているにもかかわらず、日本は戦争をする国に変わろうとしています。国際貢献とは、ともに銃をとって戦うことでしょうか。国際ボランティア活動をする日本人は、戦わない民族として紛争地でも信頼されてきました。でも、これからはテロの標的になるかもしれません。
私たちキリスト友会は、かつて日本が朝鮮半島や中国、東南アジアで行ったことを忘れてはいません。植民地とした韓国では、名前や言葉を奪い、女性の尊厳を傷つけました。日本軍が侵略した中国や東南アジアでは、残虐な行為を行いました。私たちの国から再び戦争で死ぬ人を出してはいけません。私たちの家族を他国の人に残虐なことをする加害者にしてはいけません。


 わたしたちは安全保障関連法案に強く反対します。


                                             2015年8月16日
                                             キリスト友会東京月会

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戦後70年にあたり 平和の願い

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