キリスト友会は「国葬」に反対します

 

 明治憲法下の勅令としての「国葬令」は1947年末をもって失効しました。それは人間の自由と平等を謳う日本国憲法の精神に矛盾するものであったからです。しかし、岸田文雄首相は安倍晋三元首相の「国葬」を閣議決定しました。葬儀に国費を支出することは、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない」とする憲法第83条に違反するものです。

 岸田内閣は、安倍元首相の功績として8年8か月にわたる首相在籍を強調しますが、在任中、憲法第9条を逸脱する集団的自衛権承認の閣議決定からはじまり、戦争への道を開く安保法制の制定、人権と民主主義を脅かす特定秘密保護法や共謀罪の制定などを強行しました。また安倍氏個人としては、森友学園問題をはじめ加計学園問題や「桜を見る会」の疑惑など、さらに特定のカルト宗教団体との関係など多々ネガティブな疑惑を残してゆきました。

 「経済再生政策・アベノミクス」は、物価上昇・賃金格差を急激に拡大させながら、その一方で毎年の防衛予算を増大させました。その重い負担が国民一人一人に課せられ、多くの一般市民、日々の生活費高騰に苦しんでいる母子家庭や高齢者、ホームレスの人々の生活を逼迫させています。

 国が特定の人間を弔うことは、国家権力に都合の良い人間を祀り、国家権力そのものを正当化することと直結しています。また、葬儀費用は税金である国費から支出されるため、すべての国民が個人の意思にかかわらず費用を分担し、弔意を表すことになります。これは憲法の定める思想・信教の自由(19条・20条)に反します。

 

 以上の理由により、私たちはここに安倍元首相の国葬に断固反対の意思を表明し、閣議決定の撤回を求めます。

 

                                                       2022年8月21日

キリスト友会東京月会

 

「国葬」は人間の自由と平等を葬ります